東欧旅行記 2/19-21
2/19
巨大なクラクフ中央駅バスターミナルから、アウシュヴィッツ(OŚWIĘCIM)へ。1時間半。
クラクフは雨でもまだ暖かい方だったが、アウシュヴィッツは耐えられないくらい寒い。ホカロンもっと持ってくれば良かった。
思ってた以上に広い敷地に背の低い建物が延々と並んでいて、風が冷たい
ここから10行程度、アウシュヴィッツ博物館の内部についての記述と写真(本当に一部のみ)です。誰しもが実際に行けるわけではないと思うため本当に少しだけ掲載しますが、目に入れたくない方は以下のリンク「アウシュヴィッツに関する写真と文章をいま目に入れたくない方はここから↓」をクリックして、ページ下部まで飛んでください。
英語のガイドで周る。
ガス室で亡くなった方の髪、眼鏡、靴などをアウシュヴィッツの廃棄所から保存し積み上げた展示がある。
何十万人もが殺されていたまさにその場であるガス室に入る。巨大でビクともしない石の床。
ビルケナウへ
幅1.5mくらいのペラペラの板(一番下は石)に7-8人を詰めて、毛布1枚だけ渡して3段にして寝かせていたらしくて想像以上に極悪な環境
暖かくなってきたはずの2月後半でも、ヒートテックとコートを何十にも着込んでいても凄く寒いのに
ビルケナウの人達は薄い服2枚程度で石や板に寝かされて日中は労働していたという
クラクフへ戻る
帰路のバスチケットを予約していなかったけれど運転手から買えた
争奪戦で席から溢れた人は床に座っている
アウシュヴィッツに関する写真と文章をいま目に入れたくない方はここから↓
到着、皆は癒しをもとめて目星をつけていた猫カフェへ
私は頼まれものの画集を買いに、ベクシンスキー美術館へ
ベクシンスキー、今まで見た展示の中でもトップクラスに好きで部屋に掛けたいと思うくらい
ネットに出回っている絵は、細部が潰れて表示サイズも小さくて良さの4分の1も伝わっていない
リアルで見ると、殆どの絵が縦1メートル程もあり、細部の書き込みと色彩の細かさが異常な熱量で迫る
写真ではよく見えずプレーンな背景や塗りに見えてしまう部分も、ベクシンスキーは実は凄く書き込んでいて、目を凝らすほど背筋がぞっとする作品が何点もある
日本ではTwitterで3回見たら死ぬ絵の作家として消費され知られてしまっているけれど、何て勿体ないんだろう
自分の作品にタイトルをつけることを避けたらしく、写真・ドローイング含めて何千点もある作品に一切タイトルがないのもとても好き
猫カフェに合流。同じテーブル席の椅子の上で丸まって寝ている!可愛すぎる!何この癒し。世界中に猫を解き放て!本当に
触っても嫌がらない
え?なんでこんな撫でさせてくれるの?こんな近くにいて嫌がらないの?人間にこんな触らせていいの?
ちょっと!そんな撫でさせるなよ!!!くっ……………
ファンサしてくれるアイドルに何故かキレるキモオタクみたいな心境になり退散
夕食、中央駅近くのインドカレー屋がGoogle mapの評価4.9で行ってみたら本当にめちゃくちゃ美味しい
東京のちょっと美味しいカレー屋の比じゃない
ぜひ行くべき
夜、23時頃に突然ホテルに叫び声と暴れる音が響きつづけて、ついに強い勢いで何度も部屋のドアをノックされる。間を置いて15分程度も続く。
ゴンゴンゴンゴン!
ゴンゴンゴンゴン!
友人が見にいく
「外に上裸男性が5人くらい立ってる」と言う
友人が外に出て一度文句をいうがまだ何度もノックされる。友人から「上裸マッチョ男性が7-8人に増えてる!しかも動画を撮られてる!」と報告
遊びたい高校生の集団が色々な部屋をノックして周っていたようだ
上の階には女の子たちもいる
メンバーには東洋系の方もいて、他の部屋もノックしまわっていることを考えると、黄色人種をおちょくってやろうとかではなくておそらくあの〈高校生のノリ〉ってやつだなと思う
自分の寮生活を思い出して懐かしい
もっとも、私は殆ど部屋に篭っていたけど…………
2/20
クラクフから鉄道でチェコのプラハへ。寝台列車予約できなかったので、昼に6時間かけて移動。
19時からチェコ国民劇場でオペラ『ルサルカ』を観劇。綺麗な言い方をすれば、物語の内容はチェコ版人魚姫で、ドヴォルザークの9作目のオペラだ。
綺麗でない言い方をすれば、結婚式の日に突然結婚相手を追いだして参列客の王女に手を出すヤバ王子が、なぜか最後は”罪”とやらを償って死に、ロマンスの文脈では美しいんでしょうねというendを迎える話。
話の内容はともかく、劇場が本当に美しくて見惚れてしまう。金ピカなんて成金趣味だと思っていたが、おそらく宮廷文化を継いで贅沢に金色が使われた劇場空間はただただ煌びやかで美しくて驚く。
劇中では、大掛かりな設備ではないが水やスモークが使われて、英語の簡単な字幕もある。
チェコ国民劇場は観覧が安くて、舞台と柱が被ってしまう私達の席はなんとたったの1500円だった。もっと舞台に近く、2人や4人の個室席みたいな場所も5000円程度。こんな美しい場所で3時間半もプロのオペラを観られるのにこんな安くて良いの? 住んでいたら毎週通ってしまうかも。
ヒラウチちゃんが風邪気味で心配。
2/21
私も風邪気味で11時チェックアウトまで寝てしまう。元気組はカフカの通っていたカフェ・ルーブルへ。
合流、チェックアウト、ブレックファストでウ・フレクーへ。400年黒ビールのみでやってきた大衆食堂らしい。
黒ビールか、黒でないビールか、ワインしか選択肢がないので午前から黒ビール。あとポテトスープ。
一口…………
‼︎‼︎
泡一口でわかる異常なコク!
旨みが濃いにもかかわらずくどくなく、焦がしたような香ばしい香りがふわっと広がる。
日本で飲んだどの黒ビールよりも美味しい。60種類以上を飲み比べたビール会だって目じゃない。
スープを一口。
………………
美味い‼︎‼︎‼︎
こんなに黒ビールに合うように作ってはいけない
何の味だかわからないが脳に来る旨みと身体にしみる塩分・ミネラルのやさしさ
ゴロゴロと入った野菜、きのこ類、控えめに旨みを足す少量の肉
最高‼︎‼︎
洗濯物の回収とブルーノ行き鉄道の出発時間的に20分程度しかいられないのが惜しいが、長居したら酔い過ぎてしまうので丁度良い
スープとビールを交互に、あっという間に飲み干し退店!文脈が逸れますが窓が綺麗だった。
RJ鉄道でブルーノへ。
プラハまでの鉄道と違って鉄のマテリアルを感じさせる無骨な電車。でも周りの乗客も乗務員もとても優しい。
ブルーノ着。車窓から刺々しい雰囲気のグラフィティが見える。街並みは灰色、茶色がメインで、簡素な巨大建造物がぽつぽつと建つ様子にロシア共産主義を感じる。
プラハの街並みがいかに美しかったかがわかる。クラクフも古い建築が残って綺麗だったが、プラハは加えて美術的で文化的な感じというか……古さが醸し出す以上の雰囲気があった。
ブルーノはワルシャワに少し似ている。駅前で一瞬大麻の香りがする。
今晩は二手に分かれて宿へ。私と友人はなんと核シェルターに宿泊する!
核シェルター到着。空気が悪い。空調をかけていても消えない土と湿気の強烈な匂い。狭くて長い廊下。暖房がないため寒く、ベッドは固く、寝袋で寝る。
シャワールームは共用のトイレと同じ部屋にある。カーテン1枚で洗面所と仕切られている。鍵はない。裸を見られずにシャワーを浴びるすべがない。
良い経験だが2泊はしたくない環境。こんなところに何週間も何ヶ月も居たら確実に気が滅入る。なるほどこれが核シェルターか。
明日は地下迷宮などをまわる!楽しみ
※ヒラウチちゃんは相変わらず、というか昨日より?具合が悪そうで心配。調剤薬局に入ってみたら処方箋なしでも薬が買えたので解熱・鎮痛薬と喉の薬を、またチェコのよく効くのど飴というのをスーパーで買う。ハシュレルキーという。めちゃくちゃ効く!しかし、こんな寒くて空調悪い空間で病人が寝るものじゃない…………。