8月20日I/ソウル・ホノルル・SF・BM旅行記

2023, 08, 20

深夜2時発の大韓航空で仁川へ。羽田から仁川経由でホノルルまでを大韓航空、ホノルルからサンフランシスコをハワイアン航空という旅順だ。

乗換の仁川では17時間、ホノルルでは26時間待つ。トランジットで現地を楽しむ派なので苦にならないが、飛行機の旅は短いほうがいい人にとっては辛いだろうな。

 


大韓航空のチェックインで10分程止められる。「ホノルルでの滞在先を書いていただかないと……」。違う会社の航空機で更にサンフランシスコまで行くのだと説明すると、「でもホノルルで一泊なさいますよね。その住所を」と言われる。空港泊と伝えると「そ、それは…お客様の自由ですが……でも一泊されるし…上に確認します!」と困らせてしまった。

 


5分ほど待つと戻ってきた。「大丈夫です。ではサンフランシスコの住所を」。しかし、私はネバダ州の砂漠に行くわけなのでその旨を伝える。イレギュラーだらけで申し訳ない。普通は到着した都市に宿泊するんですね……。「砂漠でキャンプするので主に泊まるのはネバダなんですが……」。再び上に確認。最早年配の方が直接いらしゃって、その後はスムーズに手続きが進んだ。

 


LCCでは長めのトランジットでも乗継ぎが多くても何か聞かれたことはない。工夫して安上がりに旅行してやろうという人は大手のクラシカルな航空会社は使わないのだろうし、航空会社も想定してないのだろうと実感した。飛行機のクラス以前に使う航空会社によって文化とか住む世界とか作法とかが全然違う、そういうのに近いものを感じてしまった。

 


機内でも、注文していなくても深夜2時半に豪華な食事が出る。免税品の販売も始まる。そもそも預入荷物が23kgまでOKだし、スタッフの方の応対も何から何まで丁寧すぎるくらい丁寧だ。LCCと違いすぎて面食らう。しかし、この深夜2時半の食事(ごはん、肉、パン、肉入りサラダ、フルーツ)は何ご飯なのだろうか。太る………。

 

 

 

ソウル市内

博士課程の留学生の方にお勧めを聞いて、まずホンデに向かう。「歩くべき通り」という名前の通りが見所らしく行くがあまり店が開いていない。ビビンバを食べる。ビビンバ自体は日本の韓国料理店と似た味だが、前菜の漬物の種類と味が全く違う。それぞれ酸味、辛味、旨味などが際立った味で美味しい。

 


戦争記念館に行く。電車で30分ほど。何箇所か検索してみて、ソウル市内なら基本的に30分以内で行けるように思える。戦争記念館は、警官の数、政治的主張の張り紙、巨大なオブジェ、彫像、レリーフと異質な雰囲気を放っていた。中入口の壁には金字で「護国殿堂」とあり、恐らく従軍中の若者たちが迷彩服に国旗を光らせて観覧している。小学生や中学生くらいの子供たちも、親や教師、何らかのプログラムの主導者のような人などに連れられて、韓国がいかにして戦争で主権と領土を守ってきたかという展示を見つめている。街中ではとても親切にされたが、この記念館に入ってからは受付、警備員、来場者の誰からも少し冷たいような対応を受ける。

 


展示内容は半分ほどが朝鮮半島内での戦争の歴史であるが(三国志好きは行くと良いかも)、3つある展示室の丸々ひとつが帝国主義との戦争について扱っていた。当然日本も出てくる。

戦争記念館自体は「軍事による主権の死守と愛国」といった色味がとても強く感じられる場所だったが、展示パネルは至って冷静に史実のみを記そうとしているように見受けられた。そうしたパネルのひとつに、淡々と「日本は韓国の書き言葉・話し言葉を根絶しようとし、歴史を改竄しようとした」とある。日本によるアジア諸国の占領と植民地化について、インフラを色々整えたのは日本だと恩の押し売りをしようとする人達がいるが、相手の言語・歴史・文化を破壊し、奪おうとしたことを無視してこのような主張をするのは自分勝手に過ぎる。韓国の他の史跡を観に行こうとしても、日本が壊したため完全な形ではないというものがいくらでもある。

 

 

 

疲労と暑さとお風呂に入れていないために足が重く、身体が気持ち悪くて動けなくなってきた。このままフライトに行くのは隣の人に申し訳ない。10kgの荷物が20kgくらいに感じられるなか、どうにかインサドン(仁寺洞)のチムジルバンまで辿り着く。韓国の伝統的なサウナ、入浴施設だ。修士同期のスヒャンさんが良い店を教えてくれた。

それなりに歳をめされたおばさまに全裸で全身をアカスリされるのは驚くほど気持ちいい。警戒していたキュウリパックも熱った皮膚をべちょべちょと冷やしてくれて新感覚だ。鉛のようだった疲れが全部飛び、走り出せそう。

 


本当に走り出すことになるとは。航空機のターミナルを間違えて10キロのリュックを背負って疾走する。油断した。サウナで寛ぎ過ぎた。ソウル駅での乗り換え、Google マップで徒歩1分と書いてあったのに10分以上かかったのもある。そういえば、他の駅でも妙に乗り換えの遠いことがあったな。大江戸線以上に上がったり下がったり他の路線のホームを抜けたりして、軽く一駅分はあるんじゃないか。日本と同じ気持ちでGoogleマップを信用してはいけないし、慣れない場所で油断してはいけない。

走る。走る。搭乗終了時刻5分前にターミナルに着く。ヤバすぎて逆に落ち着き、頭が冴える。本当に申し訳ないが、検査等の列をスキップさせていただく。搭乗終了時刻30秒前くらいにGATEに着く。「おめでとう、乗れるよ」。係の方が勢揃いして、其々シニカルに、あるいは心から微笑んだ。空港の方の計らいとチムジルバン・パワーで軽くなった足のお陰で仁川で彷徨わずに済んだ。今年一番焦った……。二度と油断しない。

 


大韓航空2回目。手荷物検査後に空のペットボトルに水を汲むというLCC仕草をしなくても(搭乗時刻目前でできなかったのだが)もう要らないくらい水分が出てくる。水もワインもコーヒーもジュースもおかわりし放題。食事も豪華で美味しい。毛布もある。席も柔らかくて身体が痛くならない。優雅だ……。成程、人はこうやって大金を出すのね。今後暫く絶対に乗らないだろうサービスレベルの機内なので存分に楽しむ。座席についたスクリーンにランドスケープ・カメラの映像を流し、雲を眺めながらマフィンとコーヒーを頂いちゃうぞ♡

 


充分眠れて頭が覚醒したので、院の受験生から来ていた質問への回答や溜まっていた諸々のタスクを片付ける。

 

 

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